診療内容診療内容

内科

総合内科

「総合内科専門医の医師像」

【1】患者の身になって対応できる豊かな人間性
【2】患者の問題解決に貢献する能力
【3】世界基準に適う医学知識・技術
【4】独創的な研究能力を備える内科医
として、以下の具体的医療活動で役割を果す。

I.高レベルな横断的能力を有した一般・総合内科の専門医・指導医

  1. 国民医療の大きな課題となっている内科的慢性疾患に対して,地域において,常に患者と接し,生活指導まで視野に入れた良質な健康管理・予防医学と日常診療を任務とする高レベルの一般・総合内科専門医(かかりつけ医)。
  2. 内科系急性・救急疾患に対してトリアージを含めた適切な対応が可能な地域での内科系一次救急医療の専門医・指導医。
  3. 高次救急病院・高度先進病院での内科系診療で,内科系の全領域に広い知識・洞察力を持ち,身体・精神の統合(全身)的・機能的視野から診断・治療を行なう能力を備えた一般・総合内科(generality) の専門医・指導医。subspecialtyの高度な専門性(specialty)と一般・総合内科(generality)の連携が必須な医療チームにおいて,subspecialty専門医との連携,またはsubspecialtyの専門医を兼ねる形で高度・先進医療にも関与する一般・総合内科側の要としての指導医・チームリーダー。

II.卒前教育,研修,生涯教育の担い手としての一般内科の専門医・指導医

III.内科領域の卒前教育,プライマリーケア能力の習得を目的とした初期臨床研修制度における内科系教育,認定内科医を総合内科専門医にレベルアップするための一般・総合内科の後期研修,内科系各subspecialtyの後期臨床研修・専門医教育,内科系医師の生涯教育などの総ての内科系医師教育・研修において,subspecialty的視野でなく,全人的・機能的視野から診断・治療についての教育が可能な教育・指導医。すなわち,卒前・卒後教育,生涯教育における一貫した一般・総合内科教育の担い手およびプランナー。

IV.臨床医学の横断的領域として内科学を総合的に捉える研究者

臨床(内科)診断学,臨床判断(決断)法,臨床疫学,臨床薬理学,医療倫理学,医療経済学,医療社会学などの内科における横断的・統合的領域の研究・教育能力を有する専門医・研究者。

脳神経内科

▶▶脳神経内科とは

脳神経内科は脳や脊髄、神経、筋肉の病気をみる内科です。体を動かしたり、感じたりする事や、考えたり覚えたりすることが上手にできなくなったときにこのような病気を疑います。症状としてはしびれやめまい、うまく力がはいらない、歩きにくい、ふらつく、つっぱる、ひきつけ、むせ、しゃべりにくい、ものが二重にみえる、頭痛、かってに手足や体が動いてしまう、ものわすれ、意識障害などたくさんあります。まず、全身をみることが出来る脳神経内科でどこの病気であるかを見極めることが大切です。その上で骨や関節の病気がしびれや麻痺の原因なら整形外科に、手術などが必要なときは脳神経外科に、精神的なものは精神科にご紹介します。また、感じることの中には見たり聞いたりする能力も含まれますが、眼科や耳鼻科の病気の場合もあります。どの診療科に受診するのが一番ふさわしいかは、おかかりになる病院に前もって問い合わせるとよろしいでしょう。

▶神経内科と他の科の違い

脳神経内科はわかりにくいといわれることがあります。科の名称が紛らわしいことも一因であると思いますが、特に間違えられやすいのが精神科、心療内科などです。精神科は、おもに気分の変化(うつ病や躁病)、精神的な問題を扱う科です。また、心療内科は精神的な問題がもとで体に異常をきたしたような病気を扱う科です。    脳神経内科はこれらの科と異なり、精神的な問題からではなく、脳や脊髄、神経、筋肉に病気があり、体が不自由になる病気を扱います。まず、脳神経内科でどのような病気か診断し、脳神経内科以外での治療や検査が必要な病気の場合は適切な科にご紹介します。 精神科の病気のほとんどが実際に病気の患者さまの脳を拝見しても異常を見つけられないのに対し、脳神経内科で扱う病気は脳をみるとなにかしら病気の証拠をみつけることができます。但し、中には精神科と脳神経内科どちらでも見る病気もあり、認知症やてんかんなどはその代表的なものです。最近は認知症も原因がわかりつつあり、脳の変化もよくわかってきています。 このようにいろいろな科が関係することもありますが、まずは全身をみることができる脳神経内科にかかっていただき、必要であれば他の科に紹介していただくのが望ましいと思います。

よくある症状

下記のような症状があれば、受診してください。

  • 頭の痛み
  • 歩きにくい、ふらつき、つっぱり
  • ものわすれ
  • むせ
  • しびれ
  • しゃべりにくい、ろれつがまわらない
  • めまい
  • ひきつけ、けいれん
  • かってに手足や体が動いてしまう、ふるえ(不随意運動)
  • ものが二重にみえる(複視)
  • うまく力がはいらない(脱力)
  • 意識障害

代表的な脳神経内科の病気

頭痛 頭痛は大きくわけて、脳腫瘍、髄膜炎、脳炎、クモ膜下出血や脳卒中など脳や頭部の病気の症状として出てくる頭痛(症候性頭痛)と、他に病気が隠れているのではなく、頭痛(発作)を繰り返す(持続する)ことが問題である慢性頭痛症に大別されます。
脳卒中 脳の血管がつまったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血)して、脳の機能がおかされる病気のことをいいます。具体的には急に手足が動かなくなってしまったり、感覚が麻痺してしまったりします。また、言葉がうまく話せなくなることや、意識がなくなることもあります。高齢の方、高血圧や糖尿病、高脂血症の方は動脈硬化がすすみやすく、脳卒中をおこしやすいので注意が必要です。症状がでてから早い時期に治療を開始すると後遺症が少なくてすみますので、このような状態になられたときにはできるだけ早く医療機関を受診されることをおすすめします。
認知症 ものわすれが多くなったときに疑ってください。お年よりでなくとも起こりえます。認知症のタイプによってはいわゆる‘まだらボケ’という状態もあり、しっかりしていらしゃる時もあれば、おかしなときもあるという認知症もあります。ただ、お年をとれば皆さん若いころに比べものわすれは多くなりますので、お年を考えても少しものわすれが多いようなときに疑ってください。また、認知症の種類によっては進行を抑制する治療薬があるものもありますので、受診をして原因を調べることが重要です。
てんかん 手足をつっぱり、意識をなくし、口から泡をふくというけいれん発作が有名ですが、短時間ぼーとしたり、意識がありながら手足がかってに動くような発作もあります。脳波などの検査で診断できることがあり、治療薬があります。また、脳腫瘍や脳出血など、なにか脳に原因のあっておこってくるてんかんもありますので、原因の検索も必要です。神経内科や精神科で診療を行っています。
パーキンソン病 中年以降の方に多く、なにもしていないのに手がふるえていたり、歩くときに前屈みになって、歩幅が狭く、手の振りがなくなり、顔の表情もかたくなるような病気です。効果のあるお薬がたくさんありますが、使い分けに専門的な知識がいりますので、神経内科を受診してください。
神経難痛 神経難病とは神経の病気の中で、はっきりした原因や治療法がないものをいいます。具体的には運動ニューロン病(筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症など)、脊髄小脳変性症(脊髄小脳萎縮症、他系統萎縮症など)、多発性硬化症、重症筋無力症、パーキンソン病、進行性核上性麻痺などがあります。原因がわからないといっても途中まではわかっているものや、根本的に直すことは難しいけれども、日常生活が可能になるような治療があるものもあります。神経難病といっても治療が有効なものと難しいものとがあります。直接治療法がなくとも医療がかかわることで少しでも生活しやすくすることはできます。また、この分野は日進月歩です。次々に新しい治療も開発されていますので、あきらめないで神経内科にかかってください。